未来を生き抜く力を育む保育

Power For Future
未来を生き抜く力を育む保育

未来を生き抜く力を育む保育

急速なスピードで社会は進化しており、私たちがお預かりしている0~6歳の子どもたちは、予測不能な未来を生き抜いていかなければなりません。コビーでは、このような未来に必要となる力について研究し、保育プログラムに取り入れています。

予測不能な未来を生きる子どもたち

ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の進化、グローバル化により、暮らし方や働き方は今後も大きく変化していきます。加えて、人口減などにより日本の国際競争力は低くなることが予測されています。一方で、平均寿命は延びており、これからは長きにわたって働くようになるでしょう。

予測できない、そしてめまぐるしく変わる社会において長きにわたって働くためには、これまでの教育で重視されてきた「知識の量」だけでは通用しなくなると考えられています。知識も大切な要素ではありますが、働くうえでのさまざまなスキルやリテラシーが重要になってきます。

このことを背景に、2020年の大学入試改革に代表されるように、変化する未来に向け、教育も大きな変革の時を迎えています。

幼児教育の重要性

教育経済学において、年齢が小さいほど教育の効果が高いという研究結果があります。幼児教育においてどのような経験をし、どのような成長の機会が与えられるかは、一般的に考えられているものよりはるかに大きな影響を及ぼします。

世界的に注目を集める「非認知能力」

予測不能な未来を生き抜くために必要な力として、今注目を集めているもののひとつが「非認知能力」です。

人間の能力は、IQテストや学力検査で計測される「認知能力」と、やり抜く力や意欲、粘り強さ、社会性、協調性といった人間の気質や性格に関する「非認知能力」(下表参照)に大きく分かれます。非認知能力は、心理学では社会情動的スキルとも呼ばれています。

近年の研究では、読み書きや計算など「認知能力」への早期教育による効果は一時的に過ぎず、長続きしないことが明らかになっています。一方で、非認知能力は将来にわたり影響を及ぼし、人生の成功の大きな要因となるという研究結果があります。

学術的な呼称 一般的な呼称
自己認識(Self-perceptions)自分に対する自信がある、やり抜く力がある
意欲(Motivation)やる気がある、意欲的である
忍耐力(Perseverance)忍耐強い、粘り強い、根気がある、気概がある
自制心(Self-control)意志力が強い、精神力が強い、自制心がある
メタ認知ストラテジー(Metacognitive strategies)理解度を把握する、自分の状況を把握する
社会的適性(Social competencies)リーダーシップがある、社会性がある
回復力と対処能力(Resilience and coping)すぐに立ち直る、うまく対応する
創造性(Creativity)創造性に富む、工夫する
性格的な特性(Big 5)神経質、外交的、好奇心が強い、協調性がある、誠実
出典)「「学力」の経済学」中室 牧子(ディスカバー・トゥエンティワン 2015年)

国際的な枠組みで研究が進められる「21世紀型スキル」

情報化、グローバル化が進む未来に活躍できる人材の育成を目指し、国際的な枠組みのなかで研究が進められているリテラシー的なスキルが、「21世紀型スキル」です。

多様な人々と協働するためのスキルや、社会や働き方の変化にも柔軟に対応するスキルとして、以下の4分野10項目が掲げられています。

思考の方法働く方法 働くためのツール 世界の中で生きる
創造性と
イノベーション
コミュニケーション 情報リテラシー
(ソース、証拠、バイアスに関する研究を含む)
地域とグローバルの
よい市民であること
(シチズンシップ)
批判的思考
問題解決、意思決定
コラボレーション
(チームワーク)
ICT
リテラシー
人生とキャリア発達
学び方の学習
メタ認知
個人の責任と社会的責任
(異文化理解と異文化適応能力を含む)
(出典)「21世紀型スキル: 学びと評価の新たなかたち」三宅 なほみ (監訳)
P.グリフィン (編)、 B.マクゴー (編)、 E.ケア (編)、益川 弘如 (訳)、望月 俊男 (訳)(北大路書房 2014年)

乳幼児期は人格形成の土台づくり

乳幼児期においては、「非認知能力」や「21世紀型スキル」の一つひとつに細かくアプローチするのではなく、就学後の教育のなかでこれらの力をさらに伸ばしていけるような土台を作ることが大切です。

コビーの保育園では、『保育所保育指針』にも掲げられている、豊かな体験を通じて感じたり、気づいたり、分かったり、できるようになったりする知識や技能の基礎、気づいたこと、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、工夫したり、表現したりする思考力・判断力・表現力などの基礎、心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする学びに向かう力や人間性などの資質や能力を一体的に育み、以下の5つの力に示されるような人格形成の土台となる力を築く取り組みを行っています。

  • The Power to Live生き抜く力

    自然との関わりやダイナミックな遊び、多彩な食育プログラムを通じて、いのちの不思議さ、尊さに気づくとともに、主体的な活動を通して自立心やたくましく生き抜く力を育みます。

  • The Power to Think考える力

    生活や遊びのなかで数や図形、標識や文字などへの関心や感覚を養い、知的好奇心や学ぶ意欲、思考力の芽生えを促すとともに、お友だちと協力して成し遂げる体験を通じて協同性を育みます。

  • The Power to Growth 育つ力

    基礎的な身体能力は、すべての成長の基盤となります。個々の発達を励まし、病気やけがを乗り越えながら健康な心と身体をつくります。

  • The Power to Create 表現する力

    想像するよろこびや、言葉による伝えあいなどを通して心を通わせるよろこびを知り、豊かな感性と表現を身につけ、自己を表現する素晴らしさを伝えます。

  • The Power to Love思いやりと優しさ

    人や自然地域とのとのふれあいのなかで道徳性や規範意識の芽生えを促すとともに、社会生活との関わりを知り、人としてかけがえのない愛する力を育みます。

Matrix Childcare子どもの能力を引き出すマトリクス保育

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